目標管理とは
Lookatプロジェクトメンバーの瀬川 明彦(せがわ あきひこ)です。
今回のテーマは”目標管理”についてです。
みなさんは目標管理と聞くと、どんなことをイメージされるでしょうか。会社員であれば、ほとんどの方は、人事評価を思い浮かべると思います。期初に目標設定を行い、半期に1回面接、そして期末に達成状況より評価されるという、あれです。
そのため目標管理と言われると、前向きに取り組みづらいのではないでしょうか?
企業における目標管理の始まり
日本の企業における目標管理(MBO)は、P.F.ドラッカー氏が1954年に著書『現代の経営」で提唱したマネジメント手法が元になっているようです。多くの日本企業に導入され始めたのは、バブル経済崩壊後の1990年代ですが、ちょうど年功序列型の雇用制度から成果主義人事に舵を切った時代で、年俸制の導入や評価制度としての導入が進みました。
実はP.F.ドラッカーの原文では「Management By Objectives and Self-Control」と書かれていたものが「目標管理」と訳され、本来の意味とはかなりズレて定着していったようです。
野田一夫監修の「現代の経営」(上)183頁、原典 ”The Practice of Management”では「Management By Objectives and Self-Control」は「目標設定と自己統制による経営」と訳されています。
そして、次のように記載されています。
”今、企業が必要としているのは、個々人の力と責任とに広い領域を与えるのと同時に、彼らの志や努力に共通の方向を与え、個人的目標と共同の利益とを調和せしめるような経営原理である。これらのことを成し遂げられるのは、目標設定と自己統制による経営しかないであろう。”
個人の目標と組織の目標と整合し、組織の利益が個人の利益に調和するマネジメントが必要だということだと思います。
くわえると、英語のmanagementという言葉の起源は16世紀中ごろのラテン語にあり「(馬を)手で御する」という意味からきています。また「manage」の「man」は「手」のことです。manageには「手綱を引く」とか「何とかやっていく」「何とか成し遂げる」という意味もあります。
従業員の視点でみれば「Management By Objectives and Self-Control」は「目標設定と自己統制によって何とか成し遂げるための仕組み」と言っていいと思います。
普段使われている”目標管理”の意味するところと随分イメージが違うのではないでしょうか。
目標に関する偉人の言葉
アリストテレス(哲学者)はこんなことを言っています。「人間は、目標を追い求める生き物だ。目標に向かい努力することによってのみ、人生が意味あるものとなる。」
ちょっと重たい言葉ですが、私も子供の頃は、誰かにあこがれたり、手に入れたいものを追い求めていました。人間には目標を追い求める本能が備わっているのだろうと思います。
しかし同時に、残念ながら人間には目標に向かい努力する本能は備わっておらず、放っておくと怠けてしまう生き物でもあると思います。
アリストテレスのこの言葉をみて、人間には「目標設定と自己統制によって何とか成し遂げるための仕組み」=「目標管理」が必要であることが理解できました。
SDGsに取り組む際に大切なこと
SDGsに取り組む際にも「目標設定と自己統制によって何とか成し遂げるための仕組み」が必要です。
Lookat.ソーシャルメーターは、目標とKPIを設定しSDGsの取り組みを”見せる化”するITサービスです。
今やろうとしていることを何とか成し遂げるために、次の3つを始めてみませんか。
(1)自分の目標を確認してみましょう。
(2)自分の目標を組織の目標と整合してみましょう。
(3)SDGsのゴールと照らし合わせみましょう。
そして、矛盾していますが自己統制は自分の力だけではできないと思います。
ではどうすればいいのでしょうか。
自分自身の目標を開示すること。そして仲間からフィードバックをうけること。そのためによく会話して思いを伝え合うこと。この3つが必要だと思います。
うーん、自分でもできていないことを書くのはつらいです。今回はこのあたりで終わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。