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SDGs達成の鍵を握る人的資本経営とは?企業価値を高める方法| SDGsコラム

2023.05.09

SDGs達成の鍵を握る人的資本経営とは?企業価値を高める方法

人的資本経営とは、人材を資本と捉え、人材の価値を最大限に活かし、企業価値を高める経営手法のことです。人的資本経営は、中長期的に企業価値を向上する持続可能性の観点からも、SDGs達成の鍵と言えます。本記事では、人的資本経営の意味、企業価値を高める方法について分かりやすく解説します。

人的資本経営とは?

人的資本経営とは、人材を「付加価値を生み出す資本」として捉え、個人が持つ知識、技能、能力、資質などの価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値向上につなげる経営手法です。人的資本経営では、人材を管理するのではなく、人材の成長を通じた価値創造へと考え方を変える必要があります。人材に投じる資金、すなわち教育や研修は、人材の価値創造に向けた投資です。SDGsが提唱する持続可能性と、人的資本経営による持続的な企業価値の向上のゴールは同じです。経済産業省の「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」がまとめた人材伊藤版レポートでは、人材戦略に求められる3つの視点と5つの共通要素を定義しています。3つの視点は、「経営戦略と人材戦略の連動」「As is-To beギャップの定量把握」「企業文化への定着」です。5つの共通要素は、「動的な人材ポートフォリオ」「知・経験のダイバーシティ&インクルージョン」「リスキル・学び直し」「従業員エンゲージメント」「時間や場所にとらわれない働き方」です。人材への投資について考える際に、参考にしたい視点と要素がまとめられています。とは?

人的資本の情報開示とは、人材を「付加価値を生み出す資本」として捉え、「人的資本可視化指針」が推奨する4つの要素に沿って開示することを意味します。「人的資本可視化指針」は、内閣官房非財務情報可視化研究会がまとめたもので、2022年8月に政府より発表されました。この中で、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの要素に沿って開示することが、効果的かつ効率的であると示されています。これらの要素は、投資家にとって馴染みのある開示構造で、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言で推奨された、気候関連情報の開示フレームワークに基づくものです。人的資本の情報開示にあたり、個別事項の具体的内容の検討が求められています。独自性のある取組・指標・目標は、ビジネスモデルや経営戦略との関連性、当該事項を重要だと考える理由、自社としての定義、進捗・達成度等の説明を重視し、開示する必要があります。比較可能性を意識した開示項目は、内外の開示基準を参考に、可能な限り自社の戦略やリスクマネジメントと紐付けて開示する必要があります。人的資本の情報開示は、経営者、投資家、そして従業員をはじめとするステークホルダー間の相互理解を深める効果があります。

経済産業省の「人的資本可視化指針」の概要とポイント

「人的資本可視化指針」では、人的資本の可視化にあたってどのような経営戦略・人材戦略を取ると良いのか、資本市場への情報開示に焦点を当てた指針を紹介しています。人的資本の可視化への期待の高まりは、社会のサステナビリティと企業の成長・収益力の両立を図るサステナビリティ経営の重要な要素に、人的資本への投資があることが理由です。今や多くの投資家が、人材戦略に関する経営者からの説明を期待しています。経営者、投資家、そして従業員をはじめとするステークホルダー間の相互理解を深めるためには、人的資本の可視化が不可欠です。そのためには、ビジネスモデルや経営戦略の明確化、経営戦略に合致する人材像の特定、人材を獲得・育成する方策の実施、指標・目標の設定が必要です。経営者は、人的資本への投資に関する明確な認識やビジョンを示すことが求められています。人的資本の可視化については、人材戦略の在り方について提言した「人材版伊藤レポート」を基に、自社のビジネスモデルや戦略に応じて積極的に活用することが推奨されています。

SDGs達成における人的資本経営の重要性

人的資本経営では、人材を「付加価値を生み出す資本」として捉えています。そのため、人材の価値創造に向けた投資が必要となり、教育や研修が不可欠です。人材の成長を促すことで、個人が持つ価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値の向上につなげます。SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」では、働きがいのある人間らしい仕事ができることを提案しています。人的資本経営を行うことで人材が成長し、生産性が高まり、企業成長ひいては経済成長につながります。同時に、人材のモチベーションも高まり、働きがいを感じることにつながります。人も企業も、サステナブルに成長を続けることが可能になると考えられています。

人的資本経営で企業価値を高める方法

人的資本経営が企業価値を高める要因の一つに、ESG投資があります。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取った略語です。ESG投資とは、自社の利益を追求するだけではなく、ESGに配慮した経営を行う企業に投資することを意味します。ESG投資を選ぶ投資家は、企業の持続可能性を重視しています。企業は、人材にどれだけの投資を行い、新しい価値を生み出そうとしているのかを、投資家に示す必要性があります。そこで重要なのが、人的資本経営と人的資本の情報開示です。ちなみに、投資の意思決定プロセスにESGを組み入れるPRI(責任投資原則)署名機関は、2020年3月末時点で3,038の機関が存在し、運用資産総額は100兆ドルを上回りました。(三菱UFJモルガン・スタンレー証券リサーチ部調べ)ESGと人的資本経営は、企業価値を高める大切な手法です。

人的資本経営に関するよくある質問

人的資本経営とは何ですか?

人的資本経営とは、人材を「付加価値を生み出す資本」として捉え、個人が持つ知識、技能、能力、資質などの価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値向上につなげる経営手法です。人的資本経営では、人材を管理するのではなく、人材の成長を通じた価値創造へと考え方を変える必要があります。

人的資本経営はなぜ重要ですか?

人的資本経営が目指すのは、持続的な企業価値の向上です。人材を管理するのではなく、人材の成長を通じた価値の創造を目指します。人的資本経営は、経営者、投資家、従業員の相互理解を深め、企業価値の持続的な向上と企業の成長に欠かせない重要な手法です。

人的資本経営の課題は何ですか?

経済産業省の「人材版伊藤レポート・令和2年9月版」では、「日本企業の多くは、変化への対応の必要性や危機意識は共有しつつも、経営戦略に紐付いた人材戦略を効果的に実施できていないという現実もある」と記載されています。経営者は、人的資本を可視化し、人的資本への投資に関する明確な認識やビジョンを示すことが課題となっています。

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