効率的な取り組み,エネルギーをみんなに そしてクリーンに,住み続けられるまちづくりを,つくる責任 つかう責任
「一番効率的なSDGsの取り組みは?」COP26から、企業と個人がすべきこと。続き
2021.12.15
SDGsの盛り上がりと情報過多による混乱
Lookatプロジェクトリーダーの葉葺 真一(はぶき しんいち)です。
2021年11月はSDGsは多くのメディアに取り上げられ、目にする機会も多くありました。同時期にCOP26も開催され、「地球温暖化」がもう一歩近づいたと感じている人も多いと思います。
一方、行動に移した人はどれくらいいるのでしょうか?
情報が反乱することによって、人は思考停止に陥ることはよく知られています。情報にアクセスするだけで満足してしまう状態です。
- 脱炭素と言っても火力発電とかの問題でしょう?
- 会社でSDGsとかやってる部署があるから
- 炭素なんか、問題になるほど出してないよ。
- 結局、国や企業の問題でしょ。
- 何かしなければとは思うけど具体的に何をすれば良いかわからない。
一番、手っ取り早い方法は何か?
ここを教えてほしいと思いませんか? 今回はそのヒントを教えてくれる本を解説したいと思います。
「Drawdown: The Most Comprehensive Plan Ever Proposed to Reverse Global Warming」
書籍は日本語で「DRAWDOWNドローダウン― 地球温暖化を逆転させる100の方法」というタイトルでも出版されています。深い分析から一番効率的な方法と各施策の効果が明快に分析されています。
分野としては、
- エネルギー分野
- 食分野
- 女性と女児分野
- 土地利用分野
- 輸送分野
- 素材分野
- 今後注目の解決策
で別れており、それぞれの分野での解決策が記載されています。
注目ポイントしては下記の明快な数値データで表現されている点です。
- ランキング
- CO2削減量
- 正味コスト
- 正味節減額
どれくらいコストがかかり、その効果(CO2)削減量はどれくらいか?
また、解決策が国や企業レベルで実施するものか、個人レベルで実施できるものなのかも分かります。
こちらの分析をご紹介します。
総合ランキングの発表!
1位:冷媒
2位:風力発電(陸上)
3位:食料廃棄の削減
4位:植物性食品を中心にした食生活
5位:熱帯林
6位:女児の教育機会
7位:家族計画
8位:ソーラーファーム
9位:シルボバスチャー(林間開放)
10位:屋上ソーラー
「1位:冷媒」がもっとも効果的な解決策となっています。「冷媒」は冷蔵庫やエアコンで使われる吸熱、放熱の機能を持つ科学冷媒のことです。オゾン層を破壊する化学物質としては主犯格です。
「3位:食料廃棄の削減」。書籍を読んで改めて驚きました。キーワードは「3分の1」。世界の労働力の「3分の1」以上が食料生産に携わっている。生産される食料の「3分の1」は農場から工場、食卓へ届かずに廃棄されている。この現実は言葉になりませんね。コンビニやスーパーでの廃棄が問題かと理解していましたが、そもそもそこにすら届かないという問題もあるようです。
「4位:植物性食品を中心にした食生活」も私達の生活取り組みとして考えることができます。健康面からも動物性タンパク質を取りすぎないことはよく知られています。逆にいうと健康に悪影響、環境に悪影響を続けているということです。
私達がまず実践すること1「冷蔵庫、エアコンは正しく使用・廃棄」
目標設定①:適正な時間、温度での利用
目標設定②:自宅のエアコン、冷蔵庫の管理、廃棄は適正に
私達がまず実践すること2「食材は買いすぎない」
目標設定①:食材は少量購入
目標設定②:適正量の保存
私達がまず実践すること2「肉は必要以上に食さない。環境のためにも健康のためにも」
目標設定①:野菜中心の食事
目標設定②:替え肉を楽しむ
消費者としての私が実践するSDGs
所属する会社などでSDGsを積極的に実践している人は増えてきています。
企業人としてのSDGsだけでは十分でありません。消費者としてのSDGsがどれだけインパクトが有るかがこの本で理解できます。
反面、個人消費者としてのSDGs目標は、意識がかなり高くないと管理が難しいと思います。なぜならば実践、進捗していなくても誰からも注意されることはないです。
私達が提供するLookat.socialmeterは会社で取り組むSDGs管理と同じく、社員の方々の消費者としてのSDGsも重要と考えます。この両方のSDGsをしっかりと管理、実践できるシステムとなっております。無料でご利用できるβ版として現在リリースしております。ぜひ、Lookat.socialmeterを使って地球温暖化をあなたの行動で止めてください。
その他のSDGs・ESGに関するコラムはこちらから!
編集
葉葺 真一
ワークショップデザイナー(青学29期)、2030SDGsゲーム、PLAYFOOL、哲学シンカー、LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテータなどの認定ファシリテーター
企業でのSDGs活動が管理部署(SDGs統括部門やCSR部門)のみで実施され、全従業員が自分ごと化していない状況、所属する企業のSDGsと消費者としてのSDGsと2つの仮面をかぶっている状況にも大きな疑問がある。多くのワークショップを実践する経験を活かし、安心安全な環境で対話を中心としたデザインととITサービスビジネスのデザインを組み合わせてLookatを発案企画。
Lookatは「意味」を提供するサービスとして展開していきたいと考えてます。
メール:habuki@infocom.co.jp